25 2月
2023 ダラムサラからチェンナイへ移動
北インドのダラムサラでのんびりと20日間滞在した。
そもそもダラムサラに行くとは全く考えておらず、自然の流れで辿り着き、楽しい時はあっという間に過ぎていった。
流れに身を任せる心地よさと全て何とかなっているという幸運を噛み締めつつ、チェンナイに移動する。
ダラムサラからはデリー行きの長距離バスもあるが、今回は飛行機を利用した。
ダラムサラからデリーへはおそらく1日2便あり、私は9:00発のスパイスエアーをTrip.comで予約した。
私の宿泊先はダラムコットのThe Unmadで、ここからダラムサラのカングラ空港へはタクシーで1時間弱。
小さなカングラ空港は快適で、飲食はスナック程度で、その代わりに本屋があった。
そこで「あるヨギの自叙伝」を発見した!
図書館で借りて何度か読んで、いつか買おうと思っていたが、日本語版は5000円近くするので躊躇していた。
英語版はなんと約500円位だったので、即買い!
もちろん英語だから難しいだろうが、時間をかけてゆっくりと読んでいこうと思う。
ちなみに、「生きがい」という本が大人気らしく、何人ものインド人に「『生き甲斐』読んでます!」と言われた。
正直何のことかさっぱりだったが、毎回相手の熱量が高めなので聞き返さず、そのままさらっと流していた。
内容はチェックできなかったが、関連本も出ているらしい。
そして、相変わらず、「断捨離」の近藤麻理恵さんをリスペクトする声もよく聞く。
これらのことからも、インドには親日派の方々が非常に多いと感じる。
彼らを裏切らないように、暴走することなく、日本人的な振る舞いを心がけようと思った。
ダラムサラからデリーに到着し(T1D)、シャトルバスに20分位乗ってターミナル3へ移動。
乗り換えに時間があったので、のんびりと南インドのスナックを食べ、チェンナイへのエアーインディアに乗り込む。
デリーからチェンナイへの飛行機が結果として1時間以上遅れたのだが、インド人リスペクトな出来事が2つ起こった。
その1:出発前に機内にて、若い母と祖母と赤ちゃんが一悶着している。
祖母が何かをどこかに置き忘れたようで、母はヒステリックに機外へと飛び出し、祖母は赤ちゃんをだっこしたまま機内でパニック状態。
赤ちゃんは泣き出し、祖母は自らの頭を手で叩き続け、他の乗客たちは通路を塞がれて長蛇の列で立ち往生。
乗務員は祖母にとりあえず座るように言うも、祖母はパニックでじっとしていられない。
しばらくこのままが続き、その後に何かしら解決したらしく、母と祖母と赤ちゃんはようやく着席した。
泣き止まない赤ちゃんを周りの乗客みんなであやし、離陸後に泣きなんだら、今度は機内ツアーに連れ回す。
そして、母と祖母に周りの乗客が何かしら話しかけまくり、2人の表情がみるみる緩んでいく。
私の隣の恰幅良すぎインド人男性は「母も祖母も新米だから、いろいろとアドバイスしたんだよ」と言っていた。
その2:離陸直前に具合が悪くなった人がいて、「乗客の中にお医者さんはいませんか」のアナウンス。
すると複数名のドクターがいて、しばらく何か対応した後、「乗客が体調悪化により降りることになったので、この飛行機は一旦戻ります」のアナウンス。
ゆっくりと飛行機はゲートに戻り、その乗客はゆっくりと荷物の準備をして降りて行った。
その後にセキュリティの人が乗り込み、機内持ち込み荷物について「これ誰のー?」という感じでチェックしていた。
セキュリティー曰く「降りた乗客が間違った手荷物を持っていってたら大変だから。預け荷物も探すの大変だった」とのこと。
一連の流れのなかで「急がなければ」という思いをスタッフと乗客双方から私は一切感じられなかった。
私の隣のインド人の若い女性は「チェンナイからポンディシェリーに帰るのにタクシー予約しているから困ったわ」とのんびりと言う。
私は彼女に「この出来事はしょうがないこと。でも日本だったら飛行機の遅延は結構な問題で、乗り継ぎの件とかでもう少し乗客は慌てるはず」と話した。
すると彼女は「私は、予約したタクシーの運転手に連絡する術がないから、今現在はどうしようもない。みんながリラックスしているのは、現状についての機内アナウンスが的確だったからだと思う」とのこと。
結局チェンナイには90分近く遅れて到着したのだが、機内の雰囲気はとても和やかだった。
デリー空港での荷物検査の時など、インド人の「われ先に」の精神が強烈すぎてうんざりすることが多い。
その反面、この大らかさはいったい何なんだと思う。
平均的な日本人が持つ平均的な価値観や優先順位とは明らかに異なる、この感じとは。
ちなみに私の隣の席だった若いインド人女性は、飛行機搭乗前のスマホ充電席でも私の隣だった。
機内でも隣となった私に対し、突然彼女は「ポンディシェリーに行くんでしょ?」と話しかけてきた。
「実は8日後に行くけど、なぜ分かったの?」と私が驚くと、「あなたを見た瞬間、直感的にそう思った」とのこと。
そして、「何かあったら連絡して」と連絡先を教えてくれた。
これぞ旅の醍醐味であり、これこそが「Incredible India」なのかと改めて納得した。