インド南部のマドライにあるシヴァナンダアシュラムにて、Sadhana Intensive という2週間のコースを受けた。
サダナインテンシブのコース中は、スワミ・ヴィシュヌデヴァナンダの修行方法に従った食事制限がある。
そもそもアシュラムの食事はブランチとディナーの2回だが、サダナインテンシブでは2回ともケチャリを食べる。
ケチャリとはお米と豆のおかゆのようなもので、消化が良い。
付け合わせとして、野菜のおかずと、たまにフルーツやスプラウトがつく。
そして、コース中は塩・砂糖・スパイス・お茶(チャイもNG)などの摂取は避ける。
とはいえ、ケチャリや野菜のおかずには軽く塩味がついている。
途中で「ケチャリの塩味がきつい」という指摘が一部から入り、それ以降「塩なし」「塩あり」の2種類のケチャリが準備されるようになった。
私はせっかくだから「塩なしのケチャリ」をずっと食べたが、ほとんどの人は間もなく「塩ありケチャリ」に戻っていった。
「塩NGなのに塩が結構入っている」という指摘に対し、先生はその指摘に対するコメントなどは一切せず、瞬時に「塩なしケチャリ」の対応するのが興味深い。
厳密にルールを守るなら、本来は野菜のおかずもNGだし、マウナ(沈黙行)も行わないといけない。
しかし、みんなが厳密にルールを守るのは無理であり、先生は決して私たちにそれらを強要しない。
原則をきちんと説明しつつ、実際は適度にルールを緩めた複数の選択肢も与え、最終的にどうするかは全て各自に委ねる。
瞑想の10日間コースもそうだが、満腹の状態は修行の集中力を妨げるため、食事の量を減らすよう勧められる。
普段の私はかなり食欲に振り回されるが、そんな私でも食事の量は自然と減ってくる。
2回の食事の他、オプションで朝の練習前にアーモンドミルク、午後の練習前に9日目からキール(甘いおかゆ)が提供される。
あまりに空腹すぎると練習に集中できないためだ。
両方とも結構甘いが、白砂糖ではなくジャグリー(精製前のさとうきび砂糖)を使っている。
ジャグリーはミネラル豊富で体に良いそうだ。
初日のアーモンドミルクはジンジャーや黒胡椒などがしっかりと入って、スパイシーで美味しかった。
が、ここでも黒胡椒に対して指摘が入り、後にさらっとした味に変わっていった。
キールも美味しいが、練習中に体がかなり暑くなるため、途中から私は避けた。
「人の体は食べた物でできている」とはよく聞くが、精神や感情の状態もかなり食べた物からの影響を受ける。
聖人は、もはや何を食べようが何の影響も受けないらしい。
それ以前の入門編の私たちは、まず食べる物を気をつけることから始めるべきとのこと。
そしてこのコースのように本気でハタヨーガを練習する時は、必ず食べ物も変えなければいけないと言われた。
サダナインテンシブでは、いろんなことを体感を通して学べるから面白い!