2020/10 最近、急に思い出した6年前の話

最近、部屋の掃除中に飾りのついた黒いゴムが出てきた。

急にいろいろウワーッと思い出したので、学びを忘れないように書いておこうと思う。

これは6年前タイのマッサージ店で髪を結ぶためにもらったもの。

当時、私は旅先のタイのカンチャナブリで、心と体のバランスを崩した。

眠れず、ちょっとしたパニック状態で、じっとしていられない。

レストランに入るも料理が出てくるまでじっと座ってられず、

「ああ、ごめんなさいー」と叫びながらお店を飛び出す。

しょうがないから歩きながらパンを食べるも、食べた分だけ胃が重くなり、

重心が左側に移って体が左下に引っ張られ、なんと、真っ直ぐ歩けない。

さらに、歩く時の体への振動で吐きそうになるため、そろりそろりとゆっくりと、ほぼ一日中歩き続ける状態。

タイのカンチャナブリ

とにかく止まっていられなかった。

じっとしていると首と肩の筋肉がギューっとなり、息が苦しくなる。

今思えば本当に滑稽だが、当時は全てがギリギリだった。

自分が狂ってしまったことを自覚し、もう以前のような人生には戻れないと思った。

カンチャナブリの橋

藁にもすがる思いでマッサージ店に入った。

メニューを決めるために「体のどこが辛いの?」と聞く受付に対し、

私は「体だけじゃなくて、全てが辛い…」と泣き出す始末。

そんなヤバイ私を見て、受付は慌てて電話で施術者を呼び出した。

そしてやってきたのは50代後半位の超ベテランのタイ人女性。

じっとできず、うつ伏せから急に勝手に横向きや仰向けになる私に対し、

「どんな状態でも私は施術できるから大丈夫。自由になさい」と彼女は言い、

本当に辛いポイントをどんな状態でも的確に捉え、ほぐしていった。

タイのお寺の仏像

私は、まさか自分の体の辛いところを全くの他人がこんなに完璧に見つけてくれるとは思わなかった。

最初はパニック状態で泣いていたが、途中から感動と感謝の涙となった。

私は生かされていると実感した。

首や肩はいずれまたすぐに固くなるが、絶望していた気持ちが心底救われた。

タイのお寺の仏像

彼女から頂いた黒いゴムをお守りにし、その後なんとか帰国できた。

帰国後もしばらくはおかしかったが、そんなこんなも今や笑えるレベルの話。

ヨガ本来の目的とは悟りを開いて解脱すること。

そのためには、エゴ(私)をいかになくすかがポイントとなる。

当時の私を苦しめたのは、私の心、私の体、私の感覚…まさしくエゴな訳だ。

エゴを手放すためには、ヨガの教えの一つである「イーシュワラ・プラニダーナ(大いなる存在へ献身し、万物を受け入れて感謝すること)」の理解が必要。

当時の私もすでにその教えを知っていたはずなのに。

体験しないと理解できない自分がただただ残念…

投稿者: Amrita

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