現在タイ北部のチェンマイに滞在し、時間がある限り毎日ヨガに通っている。
そんな中、先週末にヨガスタジオのワイルドローズにて、2日間のワークショップ(WS)が行われた。
WSのタイトルは「Dynamic Elastic Yoga」、先生はLek氏。
タイ人のLek先生はチェンマイにスタジオを持ち、InnerLife Yogaを主催している。
多くの時間は世界中を飛び回っているので、自身のことを“Traveling Yoga Teacher”と言っていた。
私にとって2日間のWSは思ったより料金が高く、初日だけ受けるつもりだった。
でも、初日の内容があまりに素晴らしかったので、結果2日間とも受講した。
この「Dynamic Elastic Yoga」では、Elastic Bands(ゴムバンド)を使ってポーズを行う。
人間の体はElastic(弾力がある)。
だからElastic Bands(ゴムバンド)を使うことで、脳の反応や潜在意識を変えていく。
例えば前屈のポーズで、ハムストリングが硬くて痛いとする。
それを我慢して何とか前屈しようとし、首や肩に力みが生じる。
この経験は脳を通して、潜在意識に「前屈は痛い」という記憶を残す。
次に前屈のポーズをする時に前の辛い経験が蘇り、脳はハムスを余計にこわばらせて防御する。
ハムスが硬いのは筋肉の問題ではなく、脳の反応の結果ということ。
だから、脳が「前屈は辛い」と思わないようにすれば、ハムスの力みやこわばりは無くなっていく。
そのため、前屈途中で一旦膝を曲げてしばらくキープし、その後できるところまで膝を伸ばす。
そしてきつくなったら膝を曲げ…を繰り返す。
その時、Elastic Bands(ゴムバンド)を拮抗筋のように使うことで、前屈の主働筋をきちんと使うことができる。
さらにポーズが深まるというわけだ。
重要なポイントとなるのが、Tensegrity(Tension–張力とIntegrity–統合の造語)。
例えば、後屈のポーズでは背部の筋肉だけでなく、いかに前面の筋肉をバランスよく使うかが大切。
そのことをElastic Bands(ゴムバンド)を使って体感する。
このWSで私がまず思ったことは、
「脳が以前の経験に基づいて新しいことを判断するのは、身を守るために必要な機能のはず。
それを壊してまで、なぜ柔軟性を手に入れたいのか?どうしてそんなに体にこだわるのか?」
最初はそこが理解できなかった。
でも、先生は、「マットの上でもマットの外でも、人の習性は同じ」と言っていた。
ということは、マットの上で柔軟性を手に入れるのが本来の目的ではなく、
その経験を通して、マットの外で脳(またはマインド)の習性を変えること、
それこそが本当の目的ということか。
それはヴィパッサナー瞑想を始め、あらゆる瞑想で練習していることと同じはず。
「ああ、だからInnerLife Yogaなのか」と私は合点がいった。
そして、Elastic Bands(ゴムバンド)を使ってポーズをいくつか行なったら、
首肩のこりがびっくりするぐらいほぐれていた。
これはマッサージや鍼治療では得られない感じだった。
理論は大変興味深く、効果を体感できたし、周りの人の体が変わるのも見れた。
思いの外、今の私にとってタイムリーな、ものすごくためになったWSだった。